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【鉄血のオルフェンズ】北欧神話からダインスレイブを考える

   

 

鉄血のオルフェンズに登場する、刺さったら痛そうな あの兵器 ダインスレイブ(Dáinsleif) アニメスタッフは なぜあの兵器にそんな名前をつけたのでしょうか。なにか深い意味が? 今回は元祖ダインスレイブが登場する北欧神話にさかのぼって、命名の理由をあれこれ考えてみました。

機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 第45話「これが最後なら」より

 


とある鉄血の電磁投射砲(レールガン) 

 

鉄血のオルフェンズのダインスレイブはレールガンの一種 いわゆる超長距離射撃を行う為の兵器で 初登場は37話。ガンダムフラウロスの背中に乗って出てきました。

このレールガンはエイハブリアクターの電磁気力を使って 弾頭を超高速で射出する仕組みになっています。

厄災戦時はナノラミネートアーマーさえも貫通できる武器として多用されてきました。その強力なタイプのレールガンが「ダインスレイブ」と呼ばれ 厄災戦の後ではギャラホの元で「非人道的」であると見なされ全宇宙で使用・保有が禁止。条約が結ばれました。(39話:マクギリス談)

レールガンの一部には、より優れたメカニズムを搭載しているため、モビルスーツのフレーム材が使用されている弾丸を発射できるものもあるそうです。

ダインスレイブの弾は様々な形・サイズに分かれており、面白いことに通常の弾頭の場合は条約的にグレーゾーン(39話:名瀬談)正式には高出力のレールガンとレア合金弾のセット使用で条約違反となります。

http://gundam.wikia.com/wiki/Post_Disaster_Technology#cite_note-G-TEKKETSU_39-43


 

神話に出てくるダインスレイブ

ここでオリジナルのダインスレイブがどんなものかを見ていきましょう。

ダーインスリーフ(ダーインの遺産)とはホグニ王が持っていた魔剣。ダーインとは古ノルド語で「死」の意味。【ヒャズニングの戦い】で知られる詩人スノッリ・ストゥルルソン(1179- 1241)の北欧神話『スノッリのエッダ』第二部「詩語法」~ホグニとヒルデ~ Hogne and Hild に登場します。 

 


ホグニとヒルデのあらすじ

その昔ホグニ王にはヒルデという名前の娘がいた。

ヒャランディという名の王にはヘジンという名の息子がいて、ヘジンは ホグニ王が王の会に出かけている間に国を襲い娘を誘拐した。

ホグニは国が略奪され、娘がさらわれた知らせを受けると、兵を率いてヘジンを探した。するとヘジンの軍は船で海岸沿いに北へ逃げた事が分かった。

ホグニはノルウェーに着いたがそこにヘジンの姿はなく、既に西へ向かった事が分かった。ホグニは船でスコットランドのオークニー諸島へ向かった。ハーという名の島に到着すると、ヘジン達は娘と一緒にいた。

娘はホグニ王と再会し、ヘジンからの伝言で和解の印として首飾りを送ると王に伝えた。もしこれを受け取らないのであれば、戦争を始めるというものであった。

娘の話ではすでにヘジンは戦闘の準備をしているという、しかしホグニは娘の提案を断った。王は娘がヘジンの元へ戻ったら、和解に応じるつもりはないことを、そしてヘジンも戦闘の用意をしろと伝えるように言った。

島に上陸し、両軍は陣形を取ってにらみ合った。ヘジンはホグニに十分な額の身代金を渡すと再度伝えた。

ヘグニ王はこう答えた、
「もし和解を望んでいるにしても、もはや遅すぎる。私は もうダーインスレイヴを抜いてしまったからだ。
この剣はドワーフたちによって鍛えられ、この剣が抜かれれば必ず誰かが死ぬ。その一振りを外すことはなく、かすり傷でさえも決して癒えぬ傷を残す。」

ヘジンは「たいそう剣を自慢するが貴様に勝利はない。いい剣というのは 主に忠実な剣のことだ」と言った

こうしてヒャズニングの戦いが始まった。彼らは一日中戦い、夜の間は それぞれの王は船へ戻った。

夜 ヒルデは戦場に赴くと、魔法を使い 戦って死んだものを蘇らせた。

翌日も王は戦場に出て死んだもの達と一緒に戦った。

このようにして毎日戦いを繰り返すうちに、戦士も戦場の剣も盾も全てが石に変わっていた。

しかし夜が明けるとまた全員が起き上がり、武器も新しくなるのだ。こうしてこの戦いはラグナロクの日まで続くと記録には記されている。

元:https://en.wikisource.org/wiki/Prose_Edda/Sk%C3%A1ldskaparm%C3%A1l


北欧神話のラグナロクって何?

ヒルデって何者なんだよという謎はさておき、

ラグナロクとは古ノルド語で「神々の運命」の意味。北欧神話の世界における終末の日のことで、全世界が炎に焼かれて、神も人間も全て滅び 灰だけの世界になるそうな。まさにこの世の終わり、デビルマンの最後のページです。

「終末の日」って何かを連想させますが、もしかしてクーデリアさんの言ってた「あの日?」ってことはやっぱり全員…いやいやそれはないか。

ちなみにダインスレイブは 「新約 とある魔術の禁書目録 4巻」にも登場。その世界では”世界を滅ぼす戦争を起こすために作られた剣のレプリカ”という位置づけですが、鉄血のオルフェンズの世界でもダインスレイブを使ったが最後、全てが破滅されるまで戦いを続けさせる存在なのかもしれません。

http://toarumajutsunoindex.wikia.com/wiki/D%C3%A1insleif