LUPIN THE IIIRD ✝次元大介の墓標 海外の反応まとめ
2017/02/20
ルパン三世 次元大介の墓標
Lupin the IIIRD: Daisuke Jigen’s Gravestone
グリーンからブルーへ
海外の反応
・次元大介の墓標は2014年6月21日に公開された映画で前・後編に分かれている。この映画は 最初に面白いイントロダクションがついてるから別にルパンファンじゃなくとも楽しめるけど、知っていたほうが楽しめるだろう。
あらすじを一言で言うと、ルパンと次元が”リトルコメット”というダイヤモンドを狙ってドロボウに入るが、次元は 狙った相手を必ず墓に送る 殺し屋”ヤエル奥崎”に狙われるという話だ。
この作品でルパンはそれまで着たことのないブルージャケットを着ている。
さらにトリビアを明かすと
今までのルパン作品は Lupin the Ⅲとローマ数字表記だったけど
-峰不二子という女-ではlupin the third と文字表記になって
そしてこの作品ではlupin the ⅢRDとこれらを合体させたようになっている。
正直言ってかなり面白い作品だ。ただ、いつも慣れ親しんだルパンシリーズとは少し違う。かなりルパンと次元のパートナーシップに焦点を当てていて、1970年のルパン像(グリーンジャケット)をモチーフにしたようなセクシャル要素が強く、違った作画スタイルに変わっている。
内容はドロボウとヒットマンの観点から描いたクライム・アクションといった印象だ。ルパンシリーズによくある醜い陰謀や政治問題も含んでいる。ルパンは相変わらず変装の名人だし、逃げにかけては芸術的な 最高にクレイジー野郎だ。ハードボイルド感も増しているし 1時間かけて見る価値がある作品だ。
・私の不満は他の映画と同様に90分にしてほしかったってところかな。
ここから先はネタバレ注意
・「峰不二子という女」テイストがする、とてもいい映画だった。不満は五右衛門と銭形が出ないってところだけだ。
・あのドリルロボだけはこのアニメから浮いていたと思うw
・何度も言ってきたけどルパン三世シリーズには映画、TVスペシャル、OVA、テレビ版 全てにおいてお約束みたいな流れがある。
それは例えば、五右衛門は何かを斬り、ルパンは盗んで、次元は射撃、不二子は裏切り、銭形は追いかけるみたいな。そんなお決まりの役割がもろもろある。(ルパンの法則とか名前がついていたりする)
だけど、この映画に関しては「そんな法則はもうどうでもいい、俺達は俺達のすべきことをする」ってことらしい。そしてそれが最高にハマってる。
最初に廃止した”ルパンのお約束”は五右衛門だ。オープニングクレジットと最後にカメオ的な画像が出てきた以外は全く出てこない。長年のルパンファンはがっかりしたかもしれないな。だけど、この映画から入る新人なら全くそんな事はないだろう。
今回の五右衛門の不参加で、 彼はある種 無敵の存在だったから、これまでのシリーズでもあんまり本筋に関わってこなかったのかな?なんて思ったりした。制作会社のテレコムに言わせれば「彼のことは知ってる。知ってるが…入れない」ってことらしい。
ほとんど銭形も出なかった。エンドクレジットの所で一瞬出てきただけだった。新しいルパン3世に向けて準備しているのかもしれない。個人的には彼がこの作品に、無理に突め込まれなくて良かったと思ってる。最後に少し出演するだけで十分意味はあった。
次元とルパンの怪我の表現については慎重に描写がされている。次元はヤエルに右肩を撃たれたが、そこから逃げた隠れ家では撃たれた箇所に治療がされている。
さらに次の場面の次元の胸には血の付いたガーゼが見えたりする。次元はヤエルとの最初の早撃ち対決で左手を使っていたが、そこには右肩を撃たれて右腕が動かせない事がきちんと反映されている。
不二子の役割はもっぱらファンサービスだった。レザースーツでバイクにまたがっている以外の大部分はハダカで水槽に入れられるか、開始のときみたいにSMスーツを着ているかのどちらかだ。
だけど、ルパンが不二子をからかったり、不二子がルパンを出し抜くシーンは楽しい。恐らくルパンの方が1枚上手だとは思う。最後に宝石を渡したのもわざとだろう。
予想外だったのはマモーだ。マモーはルパンVS複製人間で登場した悪役だけど、何であれ、古い敵を最後に持ってきたのは面白い。新しく始まるTVシリーズはマモーが敵になるのかもしれない。
このシリーズはいくつかのキャラクターデザインやスタイルをトムス・エンタテインメントのシリーズ(峰不二子という女)から拝借してきているけどそっくりそのままってわけではない。この映画の舞台設定は1973年ってことになっているが私はこの作品が不二子シリーズと関係していると思っていて、青いジャケットの新シリーズもこの世界に含まれるのではないかと思っている。(管理人※このレビューは新シリーズ放送前に書かれています)
しかし、昔のルパン三世の音楽が聞けなかったのは寂しい。新しいOPは好きではない。EDも懐かしさを感じない。作品中のBGMはまあまあだけどね。OPソングの欠如も法則から外れていると言っていいだろう。
最後のとってつけたようなルパンの説明と、他の映画みたいに不二子のハダカがやっぱり必要だっていう判断以外は、ルパンのシリーズ内でも予想外に素晴らしく、ドラマチックな映画だった。(ルパン三世らしさがない感じもあるけどね)
新しいTVシリーズへの布石と言うべきか、この映画のおかげでますます新シリーズを見るのが楽しみだ。
https://anime.astronerdboy.com/2015/07/lupin-iiird-daisuke-jigens-gravestone.html
https://www.youtube.com/watch?v=HxgP3hteibE
https://angryanimebitches.com/2014/12/movie-review-lupin-iiird-daisuke-jigens-gravestone/
pictures :LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標 KADOKAWA / 角川書店
<反応はここまでです>
付録
次元大介の墓標 -振り返りデータ-
「次元大介の墓標」は2012年放送のテレビシリーズ-峰不二子という女-の流れをくむスピンオフシリーズの第2弾として2014年6月21日から27日までの一週間、新宿バルト9のみで上映され7月以降は全国主要都市の映画館で限定公開されました。
コメントの中で時代設定をずいぶん はっきり言ってたけれど、公式の時代設定によると -峰不二子という女-と同じで「1960年代後半から1970年代前半」となっています。

image:ルパン三世(TV第1シリーズ)第2話 「魔術師と呼ばれた男」
さらにこの作品は1stルパン(グリーンジャケットを着ていたルパン)の時系列に含まれるから、確かに緑ジャケットのルパンから青ジャケットに変わる中間点という位置付けなのかもしれません。
2015年放送の青ジャケットルパンたちの年齢は20代後半-30代前半に設定されているものの、本作との詳しい時間関係は不明。ただ、ルパンと次元のつながりから考えても、青ジャケットはこの作品の後なのは間違いないでしょう。
まとめると 緑ジャケット→次元大介の墓標→青ジャケットという流れでよさそうです。(2ndはどこに入るんじゃ)
次元の利き手は右だけど…実は左でも正確に早撃ちできるんじゃないか説
コメントでもありましたが、本作で次元大介はヤエル奥崎との早撃ち対決に挑みます。次元はその前にヤエルに狙撃され右肩を撃ち抜かれています。なので次元は 終盤まで ずっと左手で射撃をすることになりますが、これは次元にとって不利だったのでしょうか。
次元が撃たれる前 ダイヤを盗みに入るシーンでは次元は右手に銃を持っているので 本作品でも次元は右利きだと分かります。では次元は左手をどれだけ器用に使えたのかを検証していきましょう。
実は次元は以前のTVシリーズでも左手を使って射撃をしています。1stルパンの第9話「殺し屋はブルースを歌う」で次元は敵のマシンガンで右腕を撃たれて負傷、車で逃げる敵に向かって左手でマグナムを撃ちますが、7回銃声がしているのに1発も当たっていません。
この時次元は「ちっ、左手じゃ全然しまらねぇな」と言っています。この時点では次元の左手射撃は まるでダメです。
そして今回 初回のヤエルとの早撃ちで次元は負けます。この時 ルパンがびっくりしている事に注目。こっちから見れば 次元は利き手では無い方で撃ち負けているので、いくら次元がすごいといっても「次元は左手だよ」と ルパンにツッコミたくなります。しかし同時に はたして洞察力の鋭いルパンが間違うだろうか そんな事は知ってるのでは?と疑いがわいてきます。ルパンは次元の実力を誰よりも分かっているに違いないからです。
問題は早撃ち2戦目のラストバトルです、ここでも次元は左手で射撃。今回はヤエルの弾丸を狙い撃って軌道をずらし、さらにヤエルにもヒットさせます。凄腕です。というわけで、文脈から考えると、 この作品では最初から次元は左手でも 正確に早撃ちができたらしいというのが私の結論です。
ただ…初回の決闘では怪我で調子が出なかったにしても、9話で左手射撃がニガテだった次元は いつからそんな正確な高速射撃ができるようになったのか という疑問が発生して、変な所で消化不良です(笑)
それはさておき、「ルパンVS複製人間」のマモーのCVは西村晃さんでしたが、他界されており、尾花かんじさんに交代。ルパン三世 峰不二子 銭形警部 と声優さんの若返りが進んでいる中で ルパンの作品自体も原点回帰という流れになっています。
Lupin the ⅢRdシリーズ第3弾「血煙の石川五ェ門」は ほとんど同じスタッフが集結して製作が完了、現在公開中です。なお こちらも高評価の模様です。